第六夜

その日はお盆休みでした。
家で当時の彼女と夜遅くまで遊んでいたんです。

で、もう夜も遅いしそろそろ帰るか、って、送っていくことになったんです。
当時の彼女は、家から30キロほどのところに住んでいましたので、車に乗って。

で、私の家の近所に、通称おばけトンネルっていうのがあるのですが、そこを通ってバイパス方面へ行くルートをとったんです。

そこはよくお化けが目撃されると聞いてましたが、私自身は見たことがなかったんで、別に気にしていませんでした・・・

で、暫く走ってるとトンネルが見えてきて、車2台がぎりぎりの壁から、何やら生えてました。

なんかイメージで言うと、ドラキュラ伯爵って言いますか、そんな感じの人(?)がトンネルの上から生えてるんです。

で、気づかないふりして通り過ぎてから、彼女に、
なんか居たよなぁ?って言うと、

壁から生えてたね、って。(この彼女も霊感強かったです)

風貌も聞いてみると同じものを見ていたようで・・・
で、私には聞こえなかったんですが、彼女が、

帰り待ってる、って言ってたで?って・・・

まぁ、帰りは遠回りしてでもそこを通らなきゃいいだけだと思ってたんで、さほど気にしてなかったんです。そのときは。

で、彼女を無事家に送り届けて、ちょっと遠回りして帰るわ〜って言って帰途についたんですが、さすがにあそこは通りたくないから、違う道経由で帰らなきゃな〜、と思いつつ車を走らせてました。
途中あまり記憶が無いんですが、気づいたらそのトンネルの前に居ました・・・

道が狭いんでUターンも出来ないですし、え〜いままよ!ってフル加速してトンネルに入っていったんですが、拍子抜けな事に何も無かったんです。

で、あ、なぁ〜んだ何も居なかったじゃん。

って思った瞬間、目の前にでっかい顔が浮かび上がりました。

目の前はゴミ処理場で木が植わっています。
そのちょうどカーブミラーのミラーと同じくらいの高さくらいでしょうか。
でっかい顔がありました。

私はそのまま全速力で逃げました。

何をされたわけではなく、そのまま帰れましたが、あれは何を伝えたかったんでしょうか?



2005年12月21日(水)


直接このページへ来た方はトップへ